『千鳥』は和風、洋風、あらゆるラグジュアリー空間にも対応できるようデザイン設計された特別な桜のアートディスプレイ什器です。日本の伝統工芸をフィーチャーしたデザインはSDGsの理念を深く理解し、その想いを反映させたものになります。人の心を打つ美しさを兼ね備え、長く愛され続ける桜ディスプレイとして開発されました。

桜の造花は越前和紙を素材とし、フレームは檜材にて製作する木工伝統技法「千鳥格子」を採用。ガラスの天板は廃蛍光管を材料にした100％リサイクル素材を採用しました。伝統工芸は材料を大切に扱い廃棄を抑え、手作業にて物を作ることで科学的消費エネルギーもとても少ない、古くから環境に優しい産業として受け継がれてきた。伝統工芸を深く理解し、アピールすることは日本人の心の美しさを世界へと伝えることでもあります。

今回、桜の造花素材としては越前和紙『雲肌落水紙』を採用しました。ご縁のあった福井の和紙製作所にて、桜をイメージしオリジナルで製作していただいた特別な和紙になります。この特別な和紙で作る桜の造花は光を程よく取り込み、繊細でやわらかな雰囲気を生み出します。

越前和紙という伝統工芸に着目したのには明確な理由があります。これにはSDGsという言葉ができる遥か昔から、当然のごとく「素材を大切に扱う心」、「ものを長く存続させることのできる優れた技術」が備わっていて、現代までそれを紡いできたという事実があります。

越前和紙の歴史は1500年と日本三大和紙の中でも特に古く、美しさと丈夫さで、古くから最高品質の和紙として知られてきました。自然素材である楮や三椏の「木の皮」を原料に、製作工程の中で出る端紙を原料に戻し、新たに製品を作る「漉き返し」という技術があります。これはまさに廃棄ゼロのモノづくり精神が古くから備わっていたということになります。

アルチザンが作り上げる桜の樹はまさに芸術品です。長い年月の試行錯誤を経て、他社には真似できない特殊なリアル桜造形技術を開発いたしました。 ただ、我々の目指す造形美はリアルさだけではなく、本物を越える存在感とアート性で見る者の心を動かす表現にあります。

幹造形へのこだわりは桜の樹全体のクオリティを左右重要な要素です。今回の「千鳥」では通常のエイジング表現に加え、新たに苔テクスチャをおり混ぜた和風エイジング処理を行いました。このひと手間により和紙の桜造花とのバランスも取れ、見事な和風リアル桜造形オブジェが完成しました。

日本の伝統工芸と環境への配慮を意識した桜ディスプレイ「千鳥」では、その他の部分にも特別なこだわりがあります。「千鳥」の名前の由来でもある、和を象徴する木組のフレームは伝統木工木組技法「千鳥格子」を採用しています。

この技法は飛騨地方に起源を持ち、古くから紡いできた伝統的な組子技術です。通常は2Dで組上げることが多いのですが、今回は最高峰の設計力と技術力で見事に3Dで組上げました。日本の木工技術は世界一といっても過言ではありません。法隆寺の西院伽藍は世界最古の木造構造物郡とされており、美しいものを長く存続させることに対する技術への探求に他ならない。その美しい心のあり方をこの新しい桜のディスプレイに込めました。

「千鳥」はあらゆるラグジュアリー空間にマッチする桜造形ラウンジテーブルとしても活躍します。環境への配慮と持続性を考えた「未来のモノづくり」というテーマによって生み出されたこのプロダクトの影の主役はやはりテーブルトップです。ここでもアルチザン流のこだわりが存分に込められています。

美しい水面をイメージして製作したガラス天板は、廃蛍光管を原料にした100％リサイクルのエコな仕様です。桜の花との相性も良く、ガラスに映り込む花の影もとても素敵な雰囲気です。美しさと優しさを兼ね備えるデザインは、未来へと繋がるLATEST DESIGNと言えるでしょう。